上智大学山岳部OB・OGのための情報交換所

剱個人山行②

8/3はパートナーが早めに帰らないといけないため計画を変更して休養日に
お昼過ぎまでダラダラしながら過ごす。
大先輩であるSさんが剣沢キャンプ場に到着したのでテントの設営を手伝う。
翌日の8/4に八峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会の予定だ。


2時30分に起床し3時20分に出発する。暗い中ヘッドライトの明かりを頼りに剣沢へ
下りていく。今年は雪渓の状態が悪くアプローチと帰りが核心だったと感じる。


剱沢へ下りるところでアイゼンを装着する。長次郎谷の出合まで1時間30分程度だ。
途中平蔵谷出合手前の左岸側が割れているが、少し迂回すれば問題ない。


長次郎雪渓の入口がすでに崩落しており、左岸側のガレを慎重に抜ける。
5分程度だが緊張する場面だ。そこからは一・二ルンぜまで雪渓を登っていく。
ここも大きく崩落しておりルートファインディングを慎重に行う。
やや手前の右岸側の草付き地帯から巻いていく

ここを越してようやくⅥ峰フェース群が見えてくる。見えているが歩けど歩けど
なかなか到着しない。今回剣稜会だけなのでガレ場の適当な場所にアイゼンとピッケルをデポすることにした。
Cフェース基部には雪渓が無いのでそのままガレ場を詰めれば問題なく取り付ける。
準備をしながら休憩をする。時間は7時前くらいだったと思う。
BCから3時間経過している。やはり剣の登攀はアプローチが問題だ。


私も7年ぶりの剱での登攀だ。
1p目は開始支点の2mほど上にかなり大きい岩があり落ちそうで落ちない…。
登るラインとかぶるので慎重に避ける。終了点を勘違いしていたため正規の終了点とされるものよりも1つ手前の箇所できってしまった。2p目の終了点までは難しいところはほとんどなく、気持ちよく登っていける。30年ぶりに登るSさんも楽しそうだ。核心部である3p目も特に問題なく高度をあげていく。少しランナーを取すぎかなと思うくらいプロテクションはセットした。この後1pで水平リッジまで越えられるのだが、良いポジションで写真を撮影したかったので、少し上がったところでピッチを一回きらしてもらう。
トポ図の4p目の水平リッジの高度感と開放感はいつ登っても素晴らしい。
トラバースが終わったあたりでハーケンが2本打ってあるが、ここではなくピナクルを利用して終了点を作成する。Sさんにコールをして登ってきてもらう。途中あの構図になったときに声かけして写真を撮る。我ながらいいものが撮影できたと思う。
最終ピッチは階段上で易しい。Cフェースの頭にでたところで終了。
後ろを振り返ると槍ヶ岳まできれに見える。


ロープをたたみ、ギアを整理してからⅤ・Ⅵのコル目指して出発する。
八峰の縦走路を歩いていけば着くとなっているが路が突然消える。
仕方ないので懸垂ポイントを探して懸垂で下りる。変な場所に下りてしまうことは
なかったが、藪にロープを絡まるのが嫌で短い区間、短い区間で懸垂を行ったため
5回も懸垂してしまった。そのせいで登攀の時間よりもこちらの方が時間をくってしまった。反省…。

Ⅴ・Ⅵのコルに到着し、先ほどデポした岩付近まで歩く。不安定なガレ場なので神経を使う。荷物の再整理と休憩し再び長次郎雪渓を下る。一・二ルンぜの崩落場所は問題なく通過する。水が湧き出ているので水を汲む。
雪解け水をそのまま飲むようなcoolなのど越しだ。
長次郎出合までの微妙な部分もアイゼンを履いたまま慎重に通過しやっと緊張感から解放された。キャンプ場まで2時間程度の登り返しはかったるい。
キャンプ場手前の剱沢小屋の売店でコーラを購入しS原さんと乾杯する。

特にトラブルもなく素晴らしい登攀を楽しめた1日だった。

2020/8/7